ポメラニアンをはじめ小型犬の骨はとても細いものです。
特に体の小さい子は、もしかするとチキンの足より細いかもしれません。
そんな細い骨のポメラニアン、まーちゃんがまだ、1歳にもならない時に経験してしまった骨折のお話です。
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夜10時に帰宅してすぐ異変に気づきました。
(その時の詳細は、アルバム2002年2月を読んでいただいて・・・)
どこが痛いのかと左前足を軽く持ち上げ手でやさしく触っていくと、人でいう手首からヒジのちょうど真中あたりに、もう一つ間接があるかのように、ボコっとした部分があるのです。
そしてまーちゃんは痛そうに「ぴー」っと鳴くのです。
3ヶ月のワクチン注射以来、シャンプーなどでお世話になっている「モリヤ動物病院(町田)」さんにすぐ電話しました。
夜中にもかかわらず、院長先生は「心配なら連れてきてください」とおっしゃってくださり、私の電話ですぐ帰宅したおとーしゃんの車ですぐ病院へ行きました。
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考えてみれば、たかが骨折です。
病気で瀕死の状態ではないのです。
一晩様子を見てもよかったのですが・・・
もう、何がなんだかわからなくって、病院へ行ってしまいました。
ただただ、あの小さい体で痛みに耐えながら私の帰りを待っていたまーちゃんを、早く痛みから救ってあげたかったのです。
病院へ着くと、院長先生がいやな顔一つせず診察室へ入れてくれました。
良く見ると、白衣の下はパジャマ姿です。
お休みのところ、ホントに申し訳ないと思いました。
さっそくレントゲンを撮ってみると、割り箸みたいに細い骨が真っ二つに折れているのがはっきりとわかります。
ショックでした・・・
あんなにポッキリ折れて、もう直らないかもしれない・・・
後遺症って残るのかな・・・?
もう走り回れないとかになっちゃうのかな・・・
いろいろな心配が頭をよぎりました。
今後の処置について、先生が説明をはじめました。
手術してボルトで固定する方法とギプスで固定する方法とありますが・・・
「ボルト」と聞いて血の気がひく思いでした。
聞くからに痛々しいし、想像するに耐えられない。
「どうしますか?」
先生は今回のまーちゃんの場合、ギプスで固定がいいだろうと言ってくださいました。
顔を見合わせて2人で出した結果はやはり、「ギプス」での固定。
「きれいに治しますから」
先生はそう約束してくださいました。
その日はとりあえず骨折した前足に厚く包帯をまいて固定して、痛み止めの注射をしてそのまま入院になりました。
翌日、麻酔をしてギプスをするそうです。
すぐに家に帰してしまうと、遊ばせてしまい、直りが遅くなるので1週間は入院させてほしいと言われ、
さみしいけれどまーちゃんのためにもお預けすることになりました。
それから朝、出勤前に面会に行くのが日課に。
おとーしゃんとおかーしゃん、交互に、毎日毎日。
おとーしゃんなんて仕事で外へ出たついでに面会しに行っちゃったり。
結局10日間も入院して、そして待ちに待った退院の日。
もう、すごく嬉しいんだけどこれからがまた大変でした。
まず、ケージの中に入れておとなしくさせる。
しかもケージの中をさらに仕切って狭くしました。
もう、本当に寝て座るだけのスペースしかありません。
しかも、今の日本の常識ではペットの看病のための休暇なんて認められていませんから(欧州の方にはそういう制度もあるそうで、うらやましいかぎりです)
まーちゃんがこんな状態でも、仕事に行かなければいけません。
昼間は一人ぼっちで、せまーいケージに入れられて、そうとうストレスもたまったでしょう・・・
でも幸い勤め先と自宅が5分ほどの距離なので、昼休みには帰り、歩かせられないため抱っこだけですが、ケージから出してあげて、また夜、終業時間になると一旦家に帰り、薬を飲ませ、ケージからだして抱っこ。
1時間して残業のためまた会社に戻る、という生活が続きました。
そして仕事を終え本当に帰宅すると、狭いケージで寝起きし暴れたため、しかもギプスの先でウンチの破片をケージ外へ飛ばす、という芸当を身に付けた(?)ため、ウンチまみれのまーちゃんをまず洗います。
そしてケージ内をきれいにお掃除して、今度は自分たちの食事の準備のための作業をしますが、その間、まーちゃんは肩掛けバッグに入って、私に背負われています。
そして寝るまで、変わりばんこに抱っこされて過ごします。
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2週間目。
今日からはギプスをはずして、厚くまいた包帯で様子見です。
レントゲンを見ると、もうだいぶ折れた骨と骨の間に、白く新しい骨が作られています。
「適度に歩かせてあげてください。刺激を与えたほうが骨が丈夫になって直りが早いです」
ギプスが取れたー!とばかりに、さらに折りしもお花見シーズンということもあり、さっそく鎌倉へ連れ出して、お花見につれ回されることとなったです。
ココ&ケリーちゃん宅ではケージに入れられることもなく歩き回って・・・・
次の週のレントゲンの日、
「運動、し過ぎましたね・・・またギプスしましょう・・・」
ええー!?
直りが悪かったのかと思いきや、レントゲンを見ると直りが良すぎて、1週間前まではうっすらとしかなかった新しい骨が、
1週間後、コブになったようにその部分だけ厚く、骨が出っ張り始めていました。
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「このままだとますます骨が出っ張って、今度は血管を圧迫し血行不良になって、別の病気が出てきますから・・・」
仕方なくまたギプスに逆戻り。
この時ちょうど骨折から1ヶ月だったのですが、結局もう1週間ギプスと付き合うはめになりました。
でも先生には感謝しています。
あんなにもまっ二つだった骨を、「直りすぎ」にまでくっつけてくださって。
1週間後、再び通院すると、今度はレントゲンもとらずに、
「もういいでしょう」
とギプスをはずしにかかりました。
初めて取るところを見ました。
あんなに小さい子ですから、負担にならないようにと先生手作りの軽いギプス。
硬い針金(クリーニング店でもらう針金ハンガーみたいな針金)を粘着テープで固定していました。
ポメラニアンは毛が長いために、テープの粘着材が毛について、はがすのも一苦労です。
粘着材を溶かす液体(本来、麻酔に使うものらしい)のついた脱脂綿で、先生は丁寧に少しずつテープをはがしてくださいました。
全部取り終わって、まーちゃんの左前足はちょっとハゲハゲ状態。
(毛、生えてくるのかな?)
ちょっと心配・・・
でも、この動物病院で良かった。
院長先生がこの人で良かった。
改めていい病院との出会いを実感しました。
病院によっては、費用も高くとれる手術をしたがるところもあると聞きます。
初めて行った病院がここで、印象も悪くなかったので他を知りませんが、少なくとも先生がいかに一生懸命で、誠意のある対応をしてくれるか、飼い主が納得いくまで説明してくれるか、また手術や処置一つとっても、いくつかの方法を、利点やリスクまで説明した上で飼い主の意見を聞いてくれて、お互い相談の上で最善の治療をしてくれるのが大事なのではないかな・・・と思います。
あと、24時間対応してくれるのも、飼い主にとって頼もしいですね。
さて、その後のまーちゃんですが・・・
すっかり抱き癖がついてしまったのです。
退院して間もなく、家にいる時は抱いていなければならなかったのも、抱き癖が原因の一つでもありました。
どうやら入院中に病院の看護士さんやトリマーさんたちにそうとう可愛がられていたようで・・・
「元気ですよー」
としか聞いていなかった入院中のまーちゃんの様子ですが、暴れるので抱いていなければならなかったのか、またはケージがいやで悲痛な声で鳴かれたからか、はたまた、あんまりにまーちゃんが可愛かったからつい・・・(親バカ)、なのかわかりませんが。
でも可愛がられていたのはたしかなようで・・・
その後、月に1度のシャンプーに行って帰り際、院長先生以外の女性獣医さんやらトリマーさんが名残惜しそうにお見送りしてくれるのです。
また、連れて行くたびに、
「わーまーちゃん、おねーさんになったね〜」
それが未だにです。
骨折は、院長先生が約束してくださったので、おかげですっかりきれいに直りました。
心配していた毛もちゃんと生えそろったし、後々、痛いふりして困らせるのかな〜と思いましたがそんなこともなかったし、ホント抱き癖以外はきれいに。 |