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避妊手術のお話し |
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可愛い愛犬の子供が見たい。
ペットを飼っている人なら誰もが一度は思うことだと思います。
まして、その子が自分の子供のように可愛いならなおさらでしょう。
私の育った環境では、物心ついたときから飼っていた犬が女の子の柴犬で、
その後その子の子供を含め、私が実家にいた間に4匹の犬を飼っていました。
そのうち3匹が女の子。
なので妊娠から出産までを何度となく体験しました。
愛犬の子犬は本当に可愛いものです。
さて、自分で女の子のポメラニアンを飼い、成長するにつれて、
「この子の子犬が見たいのか・・・」
考えるようになりました。
たしかに日ごとに可愛くなるまーちゃん。
この子が産んだ子犬はさぞかし可愛いだろう・・・
でも・・・
まーちゃんが母犬になったら性格が変わってしまうのではないか・・・
仮に出産になったとして、もしかしたら異常があって出産と引き換えにまーちゃんが死んでしまったらどうしよう・・・
産まれた子犬が異常のある子だったら面倒見られるだろうか・・・
考えれば考えるほど、出産させたくない気持ちになりました。
ですが、出産しない子は年をとってから婦人科の病気になりやすい、と良く聞きます。
自然と避妊手術を考えるようになりました。
病院へ行く時、時々先生にお話を伺ってきました。
たしかに、病気になる可能性のある部分がはじめからなければ病気になりにくいのです。
では、手術に危険はないのか。
失敗して死んでしまうことはないのか。
この年(2005年)に入って、病院でたずねる機会が増えました。
先生曰く、
「手術自体は難しいものではないので、手術そのものの危険というよりは、麻酔によるアレルギーの方が問題です。」
私は
「正直言ってどうなんでしょうか?獣医さん的にはどう考えてますか?」
聞いてみました。
「そうですね・・・病気になってから手術、といいますと、病気が発見できた時には、かなり病状が進んでいる、ということですから、それから手術となると年をとっていれば手術する体力も少なくなっていますし、若い体力のあるときに手術したほうが回復も早いので、若いうちに避妊手術したほうがいいと思います。」
とおっしゃいました。
たしかに。
頻繁に健康診断に行っていて、本当の初期に病気が発見できれば助かるかもしれないが、病気が進んでいて異常に気づいてからでは、手術しても助からないかもしれない。
それ以前に気づいてもあげられなかったらすごくかわいそう。
でも気になるのはよく聞く
「手術後には落ち着いてしまって老ける」
ということ。
せっかくの可愛いまーちゃんがわずか3歳で老け込んでしまうのはあまりにも残念。
獣医さんに確認しましたが、ズバリ、「その子によります」
そうですよね・・・
そんなの分からないですよね・・・
悩みました。
避妊手術をするのは、本当は最初の発情期を迎える前がいいと言いますが、まーちゃんの場合はすでに何度か過ぎてしまっています。
それに想像妊娠した時のように、発情期のストレスからの開放、病気になるリスクを考えて、それで手術を決意しました。
まず、手術前に市の担当機関に問い合わせし、「*1飼い犬、飼い猫の避妊・虚勢手術の補助金」の申請をしました。
すると、認可された証明書と振込先指定の用紙と、獣医さんに書いてもらう手術完了報告書が届きました。
次に手術の日取りを獣医さんと相談の上、都合のいい日を予約。
そして前日。
よる10時以降は一切お水もご飯も食べられません。
当日、絶食のまま病院へ。
麻酔をかけるついでに歯石取りもしてもらいましたが、だいたい2〜3時間ほどかけて手術。
私たちは自宅で待ちます。
無事手術が終わって連絡が入りました。
夕方、了解をえて面会へ出かけました。
まだまーちゃんは麻酔からさ覚めて間もないため、目はうつろ、怖いのか痛いのか震えています。
落ち着くまで抱いていて疲れさせてはいけない、と看護師さんに預け病院を後にしました。
入院は通常4日だそうですが強制ではないので、様子を見るため1日は入院させてほしいが、後は退院してもかまわないとのことなので、入院を1日だけに、翌日まーちゃんを退院させました。
傷口をなめないようにエリザベスカラーを購入し、自宅で見ていられないときは首にカラーを取り付けました。
後は動き回らないようにまーちゃんのクッションの周りに柵をしました。
退院初日。
退院して落ち着いたのかクッションの上にすぐさま横になりました。
元気がなく、足腰がフラフラしています。
苦しそうな激しい呼吸をしています。
きっと手術で貧血状態になっているのでは・・・とレバーを茹でて与えました。
食欲はあるようです。
その日はまーちゃんを入れてある柵の前で、私とおとうしゃんは寝ました。
翌日、少し元気が出てきました。
食欲はあります。
ですが相変わらず呼吸は激しく苦しそうです。
ホルモンバランスが崩れて精神的に不安なのもあるのでしょう。
家にいるときはなるべくそばにいいて、なでてあげたりして安心させてあげました。
病院でお腹にテープを貼られていたのですがはがれかけてしまうので、軽く包帯を巻きました。
たまたま薄いピンクの包帯を見つけたので、それを買って軽く巻いて、1週間ぐらいしたら抜糸するため病院へ行き、お腹のテープをとって、プチプチと糸を取ってもらいました。
・・・きれいすぎです、傷の跡。
まるで手術してないみたいに切った後さえ見えません。
院長先生、上手なんですね。
それとも茹でレバーのおかげでしょうか。
まーちゃんの骨折以来、院長先生をすごく信頼しています。
そして心配していた・・・・老けてしまうのでは?は、全く心配なし。
そればかりか、日ごとに幼くなっていきます。
かえって手術前のほうが老けていたようでした。
足をなめすぎて炎症を起こして、シャンプー療法と塗り薬治療はあったものの、全然、病気してません。
結果、避妊手術は成功&子犬を出産させないのであればするべきかと。
老ける、老けないは別問題。
生き物ですから老いていくわけで、老いてからの手術や病気のリスクを考えたら、若いうちにできることはやっておいたほうがいいかと思います。
ただ、かかりつけの病院、先生との信頼関係がなければいけないと思うのです。
納得いくまで何度でも話を聞いて、病院を選んだり、手術する時期を考えるのが大事なんじゃないかと思います。
(逆に、何度も話を聞いて、嫌がられたり面倒がられるのであれば、そんな病院はダメなんじゃないでしょうか)
ただ、女の子として子犬を産ませなかったのは間違いじゃなかっただろうか。
(自然の流れに逆らっているので本来動物ではないことですよね)
痛い思いをさせてなんてひどい飼い主なんだろうか、といまだに考えることもあります。
でも、まーちゃんが私やおとうしゃんをすっかり信頼しきっている表情をしているので、少なくともまーちゃんは私たちを恨んではいないかな・・・と勝手な解釈ですが、思って救われています。
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